回顧録 Numero.4 ~南回り24時間~
2010年 06月 18日
さて、料理の勉強の為イタリア行を決意して1年後の10月、
私と妻はアリタリア航空DC10のエコノミー席に着き、羽田空港から飛び立ったのです。
やっと、本格的なイタリア料理への第一歩を踏み出したわけです。
当時は、ヨーロッパ行の空路は南回りが中心。
イタリアへの観光客も今程多くなく、機内はガラガラの状態でした。
東京からロ-マまでの所要時間は約24時間。
香港、バンコク、ニューデリ-、アテネと、離着陸を繰り返し、
その都度機外へ出、空港の待合室で過ごましたので思った程辛くはありませんでした。
眠る時は、座席を4つ使って体にシートベルトをして、
方々からかき集めた枕と毛布でしっかり眠りました。
機内食も美味しく、お腹いっぱい食べました。
しかし時々、1つの心配事-修業先が決まっていないという事が、
頭を過ぎり不安な気持ちにもなりました。
イタリアに、何のコネも知人もない私たちにとって唯一、たのみの綱は、
アリタリア航空・ローマ駐在員のAさんです。
なんとか修業先が見つかるよう祈りながらの24時間…
DC10の窓から見下ろした地中海のブルーと、ローマの街のオレンジ色の屋根、
朝日に輝くレオナルド・ダ・ヴィンチの像を見た時、新しい人生の始まりを実感しました。
by miro_kiyosato1972 | 2010-06-18 19:19 | イタリア修業回顧録