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回顧録 Numero.5 ~世界史の舞台をさまよう~


 衣・食・住、人間生活に必要なこの三つの要素は、文化そのものであると思います。

 とりわけ「食」は、その慣例事項の多さにおいて、

 他の二つの要素も、その範囲内に収めてしまいます。

 食品はもちろん、調理器具、食器、ダイニングテ-ブル、

 テーブルウェア、食堂のインテリアetc...

 果てはその人のライフスタイルや人生観まで・・・と、果てしなく続いていきます。

 つまり食は、その国の文化の入り口、と私は考えます。

 そして、遠くシルクロードの果てのイタリアという異文化の国の扉を、
 
 イタリア料理という食の鍵を持って開けられた事に、私は自らの幸運を感じるのです.....

 とは、今だから言える事。

 
 
 76年10月、DC10の窓から見下ろした明るいオレンジ色の屋根の下には、

 古く大きな建物が続く、ローマの街がありました。

 空港から市内へのバスの窓から眺めた、この「永遠の都」のあまりにも暗いイメージに、
 
 「とんでもない所へ来てしまった」と言うのが、その時の正直な気持ちです。

 正直ついでに言いますと、私も妻も、イタリア・ローマについての

 予備知識は“ゼロ”に近い状態でした。

 もちろん、出発前に多少のイタリア語をかじり、ガイドブックを読みました。 

 しかし、ローマ帝国・シザー等それらが実在した世界へ、ポン!と放り込まれてみると、

 激流に落ちた木の葉のごとく、あっという間にのみ込まれ、流されてしまいました。

 しかしそれは、なんと居心地のよい流れだったのでしょう!!

 修業の受け入れ先が見つかるまでの一週間、

 ミロ夫婦は世界史の舞台をさまよいました。

 古代からの建物の中に、現代のイタリアの人達と過ごすうち、

 修業の心の準備ができ、気がつくとすっかり、ローマのトリコになっていたのでした。 
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by miro_kiyosato1972 | 2010-08-31 19:42 | イタリア修業回顧録 | Comments(0)