回顧録 Numero 25 ファツィアーニ・ウンベルトさんの事 Part 2.
2010年 11月 17日
2回目の勉強の時から、ウンベルトさんのお宅に招待され、夕食をご馳走になりました。
ウンベルトさんのお宅は、ローマの城壁のすぐ外側にあり、
町並みは比較的古い雰囲気でした。
小ぶりで落ち着いた、ちょっと古めかしい建物で、
4人乗りくらいのエレベーターで4Fにあるウンベルトさんのお宅まで上がりました。
かわいらしいチャーミングな奥様と中学生らしい男の子 ステファーノ君、
小学校低学年位の女の子 ロレダーナちゃん、
ウンベルトさんのお母さんが出迎えてくれました。
家の中は、外見からは想像できない程、明るく清潔感にあふれていました。
ウンベルトさんは、趣味で内装を変えたり、壁紙を張り替えたりすると言っていましたが、
家中至る所ピカピカに磨き上げてあり、住む人の人となりを垣間見た思いでした。
夕食は、ウンベルトさんと奥さまの合作で色々な前菜に、
ペンネマカロニのアマトリチャーナ、鶏肉のカッチャトーラ、デザ-ト、コーヒ-でした。
ウンベルトさんは私達をキッチンに呼んで、作り方を彼是教えてくれたのですが、
あまりの美味しさに感激過ぎて、ほとんど覚えていません。
家族や知人の為に心を込めて作るイタリアの味、どんなレストランもかないません。
温かくて甘~くて、体の中からジーンときて、身も心も幸福にしてくれる家族の味。
人として生まれ成長し、大人になり、そして老い、次世代へとつないでいく人生を歩む上で、
欠かす事の出来ない家族という繋がりを、「同じ食べ物を食べる」という
絆で繋ぎ保っていくんだなぁ、
と私は、ウンベルトさん一家とテーブルを囲みながら思ったのです。
そして家庭であれレストランであれ、料理を作る上で一番大切なのは、
材料はもちろん、それ以前に“クオーレ”「心」なんだ!!
と、強烈に感じました。
私達2人が、遥々日本からローマまで探し求めて来たのは、料理の作り方、いいえ、
それは本で十分です。
探し求めて来たものは、ウンベルトさん一家の食卓の上にありました。
miro.
by miro_kiyosato1972 | 2010-11-17 19:57 | イタリア修業回顧録