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回顧録 Numero 25 ファツィアーニ・ウンベルトさんの事 Part 2.

 
 2回目の勉強の時から、ウンベルトさんのお宅に招待され、夕食をご馳走になりました。

 
 ウンベルトさんのお宅は、ローマの城壁のすぐ外側にあり、

 町並みは比較的古い雰囲気でした。


 小ぶりで落ち着いた、ちょっと古めかしい建物で、 
 
 4人乗りくらいのエレベーターで4Fにあるウンベルトさんのお宅まで上がりました。


 かわいらしいチャーミングな奥様と中学生らしい男の子 ステファーノ君、

 小学校低学年位の女の子 ロレダーナちゃん、

 ウンベルトさんのお母さんが出迎えてくれました。


 家の中は、外見からは想像できない程、明るく清潔感にあふれていました。


 ウンベルトさんは、趣味で内装を変えたり、壁紙を張り替えたりすると言っていましたが、

 家中至る所ピカピカに磨き上げてあり、住む人の人となりを垣間見た思いでした。


 夕食は、ウンベルトさんと奥さまの合作で色々な前菜に、

 ペンネマカロニのアマトリチャーナ、鶏肉のカッチャトーラ、デザ-ト、コーヒ-でした。


 ウンベルトさんは私達をキッチンに呼んで、作り方を彼是教えてくれたのですが、

 あまりの美味しさに感激過ぎて、ほとんど覚えていません。


 家族や知人の為に心を込めて作るイタリアの味、どんなレストランもかないません。


 温かくて甘~くて、体の中からジーンときて、身も心も幸福にしてくれる家族の味。


 人として生まれ成長し、大人になり、そして老い、次世代へとつないでいく人生を歩む上で、 

 欠かす事の出来ない家族という繋がりを、「同じ食べ物を食べる」という

 絆で繋ぎ保っていくんだなぁ、

 と私は、ウンベルトさん一家とテーブルを囲みながら思ったのです。


 そして家庭であれレストランであれ、料理を作る上で一番大切なのは、

 材料はもちろん、それ以前に“クオーレ”「心」なんだ!!

 と、強烈に感じました。


 私達2人が、遥々日本からローマまで探し求めて来たのは、料理の作り方、いいえ、

 それは本で十分です。

 
 探し求めて来たものは、ウンベルトさん一家の食卓の上にありました。


 miro.

by miro_kiyosato1972 | 2010-11-17 19:57 | イタリア修業回顧録  

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