メニューよもやま話 茄子の “シチリア―ナ” その3
2013年 06月 15日
余談ですが、その3
シチリアで“茄子のスパゲッティ”と言えば、別名“ノルマ風”として有名です♪
1976年、1回目のイタリア修行の折、友人のイタリア人シェフに勧められて購入した料理書、
「パスタ と ピッツァ」。
これに、スパゲッティ・ノルマ風、がありました。
スパゲッティと、ナス、トマト、だけ。
シンプルで、しかも材料の調達も簡単そう、というわけで、帰国後すぐにメニューに加えました
ただし、当時は「米なす」が手に入りませんでしたので、日本のナスで代用。
立て切りにしたナスをオリーヴオイルでソテーし、茹でたてのスパゲッティの上に乗せ、
にんにく風味のトマトソースをかける。
このシンプルなメニューは、たちまち大人気となりました
今思えば、日本のナスを使った事で親しみやすく、食べやすかったのが、
人気の秘密だったのかもしれません。怪我の功名とはこの事でしょうか。
そして、甲府から清里へ移転した1994年、夏。
この年は、ナスの大豊作の年でした!
知り合いの手土産は、みーんな、ナス、ナス、ナス、ナス。。。。
キッチンでは、ノルマ風のナスを焼くのに大忙し
後にも先にも、あんなにナスを焼いた事はありません!
19年前のまだちょっぴり若かったミロ夫婦にとって、ノルマ風は郷愁を誘う、メニューなのです。
最後にネットで探してみましたら、イタリアの料理雑誌の翻訳サイトから、面白い記事があったので、リンク
ノルマ風スパゲッティの名付け親
味はもちろんですが、このパスタをここまで有名にしたのは、何と言ってもその名前。
「ノルマ風」。
ベッリーニのオペラ「ノルマ」にちなんだ名前だということは、ご存知の通り。
そして、ベッリーニがカターニア出身の大作曲家だということも有名。
同郷の大作曲家が誇らしくて仕方がないカターニア人は、素晴らしくて完璧なことを評して「これはノルマだ!」と言う習慣があった訳ですね。
そして揚げたなすとトマトソースのパスタを食べた誰かが、「これはノルマだ!」と言ったのがきっかけで、この料理はノルマ風パスタと呼ばれるようになったのでした。
これ本当かどうかは、詳しくは知りません
さらに・・・
でも、唯一あまり知られていないのが、このパスタを最初に「ノルマだ!」と呼んだ人のこと。
たいていの都市伝説はそこらへんは曖昧なままですが、実はノルマ風パスタに関しては、誰が最初にこう呼んだか、ちゃんと知られているんですねえ。
ただあくまでも通説であって、決して本当と証明されている訳ではありません。
シチリア料理研究の大御所、ピーノ・コッレンティ氏によると、その人物はカターニア出身の有名映画監督で喜劇作家のニーノ・マルトーリオ(1870-1921)。
イタリア映画史に名を残すほど有名な人だったようですねえ。
つまり、この人もまた、カターニア人が大いに自慢に思っている人です。
そんな彼が、友人の家でこのパスタをふるまわれて、
「シニョーラ、これはまさにノルマですよ!!」と言ったのが、ノルマ風パスタの由来なんだとか。
最後のこれはちょっと嘘っぽいですが、まぁそういう事にしときましょー。
梅雨が明けるとナスが美味しい、夏
ノルマ風、Molto buonoですよー♪
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by miro_kiyosato1972 | 2013-06-15 12:00 | メニューよもやま話